営業ってどんな仕事?①:有形商材の場合

お仕事紹介

主にこれから新卒で就職活動を行う方、初めて転職活動をする営業経験者に対して、まとめていきたいと思います。

私は、2年ほど、メーカー商品の販売営業とIoTサービスのソリューション営業の両方の採用活動を複数名経験し、両方のポジションの書類選考〜内定〜入社後フォローまで立ち会っています。

また、私自身も大手電機メーカーのルート営業に配属され、新卒では「ランプ販売」の物売りから、保守契約の営業に立ち会った経験もあります。その経験をもとに、営業についてまとめていきます。

営業ってどこでも聞く仕事だけど、ぶっちゃけ何をしているの?

営業職というワードを一番よく聞くのは、大学や高校などを卒業し、企業の就職説明会に応募する時ではないでしょうか?商品を買っていただき、会社の利益につなげる活動が、営業の主な役割です。

営業職という仕事は十ぱ一絡げで、実際に何をするのか分からない方も多いかも知れません。実際、入社した後も、きちんと営業について体系立てて教えてくれる人がいるとも限りません。

しかし、営業によって得られた売り上げが会社の利益に直結しますから、何をしたら良いのか具体的にプロセスを知っておいた方が良いわけです。

研修を受けても、正直じゃあ何をすればいいのだという側面もあると思います。

そこで、いくつかの分類をしてみたいと思います。

何を売るのか?

その会社の売り物は何でしょうか?まずは以下のように考えてみてください。

  • 使ったらなくなるもの?なくならないもの?
  • 形のあるもの?ないもの?
  • 誰か人が作業をしなくてはいけないもの?
  • 場所が必要?
  • 高い?安い?

このように考えてみると、一番楽なのは、「何もしなくても売れていく商品」だということが分かると思います。だからこそ、アフィリエイトや情報商材などが個人にはとっつき易い訳です。

ですが、実際に生活していれば、様々なものやサービスに溢れています。

例えば、採用活動をする場合には、この営業は「どんな商材を扱っていた経験があるか」がそもそもズレていると、ミスマッチになるので、営業の仕方が似ている商材を扱っていた経験があるか、ドンピシャな商材を扱っていたかをまず調べますし、職務記述書をまとめる際にも、まず最初に考えなくてはいけないところです。

逆に、これから転職活動、就職活動をする場合は、自分が近い商材を扱った経験があるかどうかを棚卸しして、本当に私はここで営業できるのかどうか?を考えておく必要があります。

エージェントさんを介して行う場合も同様です。エージェントさんが全てを深く把握しきれている訳ではないので、本当に合っているのかどうかは、その都度チェックする必要があります。

形のあるものを売り込む場合

例えば100円の商品を売り込む営業は誰に売り込むでしょうか?個人の店舗さん?

いえ、販売代理店や系列スーパーを持つ会社の売り場担当者などでしょう。

こうしたスーパーの売り場を作る人のことをMD(マーチャンダイザー)などと呼びます。

また、色々な商材が販売されている総合スーパーのことをGMS()などと呼んだりします。

100円の商品ではなく、もう少しお値段がはるもの、電子機器などだとどうでしょうか?

家電量販店の場合は、電子機器の種類によって販売される商品棚が決まっています。販売されないと在庫を抱えないといけないので、売れると期待される商品をたくさん棚に置きたいですよね。

電子機器メーカーの販売の場合は、商材にもよりますが、いかに販売スペースを確保するか、という営業にもなります。最近では、高額な家電商材でも在庫を持たせないことで、量販店側も売りやすい形をとっている会社もあります。

形のあるものを売り込む場合のあくまで一例です。機能が決まっているものは、売るカテゴリーが決まっていることが多いです。

一方、機能面ではなく、例えば意匠など見た目や全体の雰囲気から醸し出されるメッセージを売りにしているサービスもあるでしょう。

例えば、ロボットの場合、工場で利用されるロボットは機能を担保しないといけないですが、見た目が猫や犬など可愛いロボットの場合は、その雰囲気によって評判が上がりますよね。

カバンやアクセサリーの会社の場合は、その商品自体のイメージがメッセージを伝えています。それによって、「この商品を買いたい」という動機につながるのです。百貨店やブランドショップが対面販売をしているのも、高額商品に対して人が担保するためだと考えられます。

また、レムリア水晶など、形が大きく見た目に特徴のあるものは、人によっては「これしかない!」と見つけて、その場で高値で買うこともあります。

スピリチュアルに関心のある方は、結構な高値でもかけがえのないと感じたものを即決で買うことはあります。ある販売店に伺ったところ、その女性販売員の方は、「自分はスピリチュアルのことはよく分かりませんが、ご縁を感じてその場でお買い求めになる方もいらっしゃいます」と話していました。

逆に言えば、安くてすぐ買えるものに関しては、レストランでもコンビニでも無人販売に置き換えているところが少なくありません。

ないと困るものは、逆に売り方が難しい

私が学生の頃に就職活動していた際の軸は、「形があり、なくならないもの、誰にとってもないと困るもの」を扱っている会社でした。そこで、素材や材料を扱うメーカーから、製薬会社、船会社、印刷会社、電力会社、重電メーカーなどを受けていました。

しかし、そういった商材は非常に金額が高いものですし、例えば、鉄や石油などを扱う場合は国をまたいでの外交にも直結するくらい大事な仕事だったりします。(調達という専門の部門があります。)

入っても自分がどう頑張ればいいのか、というイメージは実は全く無かったのです。

それから、私はだんだんと、「形がなく、なくても困らないが、人の感情に寄り添うもの」へとシフトしていきます。あるいは、既に存在するサービスや商品の一部を変えることで「これが欲しかったんだよね」を掘り起こすことに興味を持ちます。

社会人になってしばらく経った後から、大学の先輩に「既に決まったルールのある仕事は自分の創意工夫を入れる余地がないから、難しいのかもね」とコメントを頂いたことがあります。

また、TVCMなどで扱う商材が、「なんかコマーシャルで買わされてる」という気持ちが強く、あえてそれを避けていた面もあります。

ですが、コマーシャルが買うきっかけになるということは、身近で手に入りやすい、イメージのつきやすいものですから、むしろとっつき易かったかも知れません。

私は、新卒の就職活動では、最終的に建物設備の保守サービスの会社に入る訳ですが、保守のサービスは、またそれはそれで作業する人が介在するため、営業が非常に難しいことを、その時はまだ気づいていませんでした。

無形商材編に続く

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