この記事は、主に転職活動をされている方、新卒採用で就職活動をしている学生さん向けに、大まかに営業の内容が分かるようにまとめてみました。
形のないものを売るには?
前回、営業について考える際、何をそもそも売るかについて考えました。
- 使ったらなくなるもの?なくならないもの?
- 形のあるもの?ないもの?
- 誰か人が作業をしなくてはいけないもの?
- 場所が必要?
- 高い?安い?
形のないものの場合、それはどんなサービスとして提供する形をとるのか、人がサービスをするのか、ソフトウェアやロボットが提供するのかが考えられます。
例えば、ゴルフの打ちっぱなしやバッティングセンターの場合は、人の代わりにマシーンが球を準備してくれるので、人間が直接サービスを提供する割合は低いと思います。
パソコンで利用するソフトなども人が何もしなくても勝手に動いてくれて、課金してくれますね。
誰か人が作業しなくてはいけないものは、いずれ人数に応じてリソースの限界が来るので、ソフトウェアかロボットが代わりに担当してくれたらありがたいですね。
人が作業するサービスの例1:工事
人が作業するサービスの例として建築工事があります。今の所、工事がロボットやソフトウェアに置き換わることは無さそうです。なので、人が担当します。最近増えていますが、解体もそうですね。
工事は一日で終わるものでは無いので、いつまでに何をどんな過程で作っていくのかを決めなくてはいけません。そして、工事の要件をある程度決めておく必要があります。
例えば、建物の基礎を作る人と、電気工事の配線、設備の配置を行う人は全然必要な専門知識が異なります。先日CADのようなソフトに何をどのように配線するかのメモがびっしりの画面を紹介してもらいましたが、半端じゃない情報量だと思いました。
そして、その工事の要件をもとに金額を見積っていく必要があります。
営業マンが工事の受注をする際に難しいのは、色んなスケジュールを視野に入れなければいけない点です。
作業スタッフ、フィールドエンジニアが実際には担当しなければいけないので、ある程度何をするのか営業側も知らないといけないのですが、新卒の頃の私は、そのことがよく分かっていませんでした。
作業員のいる事務所と営業スタッフのいる事務所が違うのですが、やっぱり雰囲気が違いましたし、そもそも何をどう営業して、どう受注していったらいいのか全く分かっていなかったのです。
それで、何だかやっていることがトンチンカンであべこべな感じになっていました。
「みんなどうやって営業して受注取ってるんだろう、沢山お客さんはいるみたいだけど、、」
そんな気持ちでした。それで、とりあえずノベルティを持って、お客さんの名前を辿って、住所があるところに足を運んでなんとなくカレンダーを配るみたいなことをやっていました。
私が営業10年目とかで、新卒の子がもし同じ職場にいて困っていそうだったら、「とりあえず私と一緒に行って、いくつかのお客さんの御用聞きをやってください。それ以外のお客さんの開拓は行けそうだったら、空いた時間にやってみて」みたいな言い方をするかも知れない。
させて頂いてたかも知れないのですが、日々忙しいとそこまでのキャッチアップが難しかったのかも知れません。
そして、どのお仕事でもそうですが、保守契約は月のお金が取りやすいです。
最近ではセンサー技術を活用した遠隔監視、遠隔点検などの技術が発達していて、人が点検作業をしなくても大丈夫な形になりつつありますが、大掛かりな設備だとそういう訳にもいきません。
車検などもそうですね。結局何が原因で不具合が起きそうかを事前に確認するには人の手が必要なため、なかなか省人化が難しいところです。
人が作業するサービスの例2:ITの受託開発
ITの場合は形のないものですが、作るのに工程があり、人数が必要で、納期が決まっているという点では、建築工事に近い要素があります。
例えば、「こういうHPを作りたいんだけど」という場合、どんなページが必要かをあらかじめ確認し、そのページを作る作業にかかる時間とお金を決めておく必要がありますね。
HPの場合は、必要な情報を表示するだけで良いですが、例えばお金の管理だったり、勤怠の管理だったり、基幹系と呼ばれるシステムの場合は、表示するだけでなく、その中でさまざまな情報処理が必要になります。
CRUD(Create Read Update Delete)などと呼んだりしますが、情報を表示するだけでなく、データを追記したり、必要に応じて変更を加えることが出来る機能をさまざまなシステムと整合性が取れるような設計にしておく必要があります。
機能要件、非機能要件などと呼び、開発をする際にこのソフトウェアに何が必要かを事前に決めておく必要があります。
最近では、何が必要な機能なのかは、運用しながら変えていく流れがWebサービスに主流です。
そうすると、工事のように順番に作っていく(ウォーターフォール)場合もあれば、試行錯誤しながら作っていく場合もあります(アジャイル)。
この受託開発も、いつどこまでの作業でいくらお金を頂けるか、が鍵になってきます。
なので、営業会議で確認する事項としては、いくらの開発案件で、納期がいつまでなのか、誰がアサイン出来そうで、最終的に利益が出そうかどうか、が大事になります。
ただ、毎回開発をきちんと最後まで終わらせるのも大変ですし、お客さんがやりたいことを叶えているという点では、自分達のやりたいことは犠牲にしている訳です。
なので、出来れば、自分達が何かを作らなくても「仕組み」でお金を頂けるようになるとありがたい訳です。
そして、個人事業主になると、基本的に最初は自分でお客さんに営業をしなければいけないので、めちゃめちゃ大変になってくる訳です。ですが、最初はみんな自分で営業して、自分で作業をして、その対価を頂く流れが普通だと思います。
人の代わりにソフトウェアが対応するサービス:SaaS(Software as a Service)
人の代わりに作業をしてくれるサービスで言うと、最近だとChatGPTがすぐ出てくると思います。自分が作業をしなくても、資料のドラフトを作ってくれたり、法務関係の資料を作ってくれたり、経費計算のサポートをしてくれたり、マーケティング資料を作ってくれたりします。
これも、画面上で何かを入力するとそれに対して回答してくれると言う点で、ソフトウェアの一つです。AIが普通のソフトウェアと少し違うのは、いつも同じ結果が返ってこない(非決定性アルゴリズム)と言う点です。
ChatGPTがここまで流行った理由の一つがカスタマイズのしやすさにあります。API(色んなWebサービスと連携し易くする仕組み)が充実していて、色んなサービスと連携し易くなっていました。
このようにソフトウェアがサービスの形を取っているものをSoftware as a Service略してSaaSと呼びます。人が担当しなくてもソフトウェアがサービス内容を提供してくれるので、より多くの人にサービスを届けられます。
ですが、まだまだサービスの説明は人がしなければいけません。CMなどを使って認知度を高めることは出来ますが、購買行動の要を営業担当者が担うところはまだまだ多いでしょう。
なので、営業向けのSaaSを扱うSalesforceと言う会社では、いかに認知〜購買まで繋げるかを「The Model」と言う形でまとめています。
大まかに言うと、
- マーケティングで認知し見込み客になった人が
- インサイドセールスを通して実際に購買を検討してくれて
- 営業が購買決定につなげるアクションをとり
- カスタマーサクセスが受注後のフォローアップを通して継続利用を促す
といった流れになります。
SaaSは機能が多い場合もあり、使い勝手が分からず困ってしまう場合もあるので、サポートが必要です。また、マーケティングと営業が切っても切れない関係性にあります。
SaaSの方が自由度があり、色々出来るからこそ、提案にも幅が生まれますが、自由度の反面、カスタマイズする場合はどこまで個別に対応出来るのか、考えておく必要があります。
以前、ソフトウェアの受注後、導入サポートを担当したことがありますが、以前の担当者が営業〜サポートまでワンオペでやっていた場合もあり、残された側のキャッチアップが大変だったことがあります。
まずは出来る相談かどうかと、大口の案件に繋がりそうかどうか、が、SaaSの場合は非常に重要になります。なので、営業担当者もその辺りを理解して動けるかどうかが肝になります。
ソリューション営業などと呼ぶこともあります。
ソリューション営業もメーカー営業も採用活動を担当してきた
ソリューション営業担当もメーカーの販売営業も採用してきました。それぞれに必要なスキルセットがあり、ポテンシャルを加味して採用する場合にはどんな人が良さそうか、似たような商材を売ってきたかどうかを調べながら書類選考、面接してきました。
ドンピシャな人はなかなかいませんので、その都度どこまでならOKかの要件の擦り合わせが必要になると思います。
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