初めての採用担当が知っておくべき一番最初のステップ

採用

私は診療放射線技師という仕事から、転職して20人弱のベンチャーの採用担当に突然なりました。社内にきちんと採用を専任で担当したことがない状態で入ったので、一からやっていくしかありませんでした。

その後2年間で、1000人以上の方と書類選考〜最終面接も含めて選考に関わり、インターン・正社員合わせて15名ほど入社し、確実に会社が変わっていくのを目の当たりにしました。採用は経営目線でもとても重要な仕事でありつつ、難易度が高い仕事だと感じてきました。

当時のことを思い出しながら、全く未経験だった私がどうやって、採用としての実務経験を積んでいったのかについてまとめます。

はじめに:初めての採用担当としての心構え

入社する前、どんなポジションをやるか決まっていなかった私。直前に、人事・採用を担当してもらいますと言われました。入りたかった会社だったので、非常にありがたかったのですが、採用って何をやるのか全く分かりません。社長は、今の会社を立ち上げる前もいくつかベンチャーの重要なポジションで活躍した方のため、「私を選んだ理由があるのだろう」とは信頼していました。

どうして見込んでくれたのか、ある時社長に聞いてみたところ、「正直で素直なところ」だと話していたと思います。素直な人は、仕事でも言い訳とか文句を言わずにしっかりこなしてくれるので、やり易いのでは、という話も聞きました。

まずは会社における目の前の問題を素直に聞きとり、人にまつわる会社の問題を私が解決する責任があるんだ、という思いを持たなくてはいけないと思います。愛社精神は必須です。

そして、新しく人を採用することで、会社がポジティブに変化し、成長していく姿を間近で見られるのも採用の醍醐味です。小さな会社ほど、一人何役も携わり、経営に近い領域にも関われるので、やりがいがあります。

また、一番感じていたのは、「採用担当である私がボトルネックになって、マッチしない人、優秀な人を呼び込めないことがあってはならない」ということです。その為に、会社に興味を持ってくれた人に対して偏見なく、誠実に一人一人対応する必要があると思っていました。

ステップ1:企業の採用ニーズを理解する

そんな心構えを持った上で、まずは会社がどんな人を求めているかを理解することに努めました。会社が何で稼いでいて、今後どんな事業展開をして成長していきたいのか。その為に必要な人材はどんなスキルを持っている人なのか。

全く畑違いの領域から転職してきた私は、周りの人から一つ一つヒアリングし、それぞれのポジションで求められているスキルが何なのかを整理し、見極めていきました。

ステップ2:募集職種と求めるスキルを定義する

求めるスキル・経験・適性を具体的にすることで、実際に募集をかけた際に、入社してほしい方が面談に来るようになります。

例えば、経理の場合は何が必要なのか、領収書を月の初めにまとめて経費を計算するイメージがありますが、もう少し深掘っていくと、月次決算をまとめるスキルがあるかどうか、四半期決算、年間の数字の整理が出来るかどうか、という話になっていきます。

それぞれ、スキルセットの違いによって、本人の目指しているキャリアプランが全然違ってきます。事務方として経理は手堅いから、と思っている人と、上場を目指す会社で経験を積みたいと思っている人では、考え方が全然変わってきます。

明確な定義がないとミスマッチが起こりやすいので、具体的な職務記述書(ジョブディスクリプション)が必要になります。

例えば、以下の記事を参考にすると良いでしょう。

ジョブディスクリプション(職務記述書)とは?目的や書き方を解説! | 給与計算ソフト マネーフォワード クラウド
ジョブディスクリプションは職務記述書とも呼ばれ、職務内容、求められるスキル等をまとめた書類のことです。ジョブ型雇用という雇用システムで活用されるもので、経団連の提言などでジョブ型雇用の導入機運が高まり、注目を集めています。この記事ではジョブ...

一から全部自分で考えるのは難しいと思いますので、似たようなポジションの他社の募集が無いかを調査して、それを真似るのが最初は良いかと思います。または、現在近いポジションで働いている人から確認するのも良いでしょう。

もし、社内で分かる人がいない場合は、カジュアル面談の際に、近い経験の人が来たら、しれっと聞いてしまうというのも、裏技としてはあります。が、「何だ、面接に来たのに、何にも知らないのか?」と思われる可能性があるので、基本的にはやめた方が良いでしょう。あくまで、苦肉の策です。

ヒアリングしながら、徐々に「こういう感じの人かな」というのが絞られていきます。

そして、この時点で、職務記述書に記載するようなポジションの人がどうして転職したいと思うのか、そして、自分達の会社を選んでくれそうな理由は何か?について、深く深く考えておくことをお勧めします。

そうすることで、ミスマッチが減るからです。

マーケティング活動におけるペルソナ設定、カスタマージャーニーマップにも通じるところがあるかも知れません。そういう意味で、採用という活動は会社の全ての活動に関係するポジションなのです。

もし、募集する職種やスキルがコロコロ変わる場合は

そもそも何故増員が必要なのかについて、再度ヒアリングする必要があります。上司の回答が要領を得ない場合は、周りの方にヒアリングすると良いでしょう。

入社してすぐだったり、採用部門に配属されたのがつい最近だった場合は、まずは最初に何でも相談できそうなキーマンを何人か見つけておくとよいでしょう。

社内で苦手な人を作らず、どんな人にも積極的に話しかけていく心構えが必要です。

また、疑問に感じることがあれば、臆さずどんどん意見したり、質問してみましょう。それによって、本当に必要だったことが分かってくるかも知れません。

一番大事なのは、自分の人間観に自信を持つことです。

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